原子炉の操作可能性を表すパラメータの値を決定する方法、決定システム、コンピュータプログラム及び対応する媒体
专利摘要:
原子炉の操作可能性を表すパラメータの値を決定する方法、決定システム、コンピュータプログラム及び対応する媒体であって、前記方法は、原子炉の同じ運転サイクル中に、(a)原子炉(1)内に在るセンサ(21A乃至21D)によって行われる測定から、炉心(2)内の局所出力の3次元分布を計算するステップ、(b)計算された局所出力の3次元分布に適用される、出力の少なくとも1つの偶発的な過渡発生をシミュレートするステップ、(c)シミュレートされた出力の過渡発生中燃料棒の被覆の破損を最も受けやすい少なくとも1つの燃料棒を、熱力学計算を用いて、識別するステップ、(d)識別された燃料棒に熱力学計算を用いて、原子炉の操作可能性を表すパラメータの値を決定するステップ、の周期的な実行を伴うことを特徴とする、前記方法。 公开号:JP2011506920A 申请号:JP2010536506 申请日:2008-11-21 公开日:2011-03-03 发明作者:ポヤウド;ジル アンドレ;ブルーノ ジュリアン;ジャン−リュシアン ムールレヴァ 申请人:アレヴァ エヌペ; IPC主号:G21C7-00
专利说明:
[0001] 本発明は、原子炉の操作可能性を表すパラメータの値を決定する方法に関する。] 背景技術 [0002] 本発明は、例えば、加圧水型原子炉に用いられる。] [0003] そのような原子炉の炉心には、普通の方法で、核燃料集合体が装填されている。] [0004] 各燃料集合体は、核燃料棒の束からなり、その核燃料棒は、核燃料ペレットを収容する被覆を備える。] [0005] 特に、80%の電気が原子炉によって作られているフランスのような国では、原子炉が供給する電力ネットワークの要求に適合するために、原子炉によって供給される全出力が変動することが有利である。] [0006] 特に、必要であれば公称全出力に戻る前に、ネットワークでの要求が低い長時間の間、低下した全出力で原子炉を運転することができることが望ましい。] [0007] それにもかかわらず、各原子炉を、原子炉の能力をよりよく活用させるこの方法で運転することは、安全問題を伴ってはならない。] [0008] 原子炉が操作可能性を制限する現象の一つは、特に、ペレット/被覆相互作用(PCI)の現象である。] [0009] 原子炉が原子炉の公称全出力PNで作動するとき、核燃料棒は、当該技術に用いられる用語によれば、プロセスされる(processed)。] [0010] 特定の燃料棒に関して、そのプロセス(processing)は、被覆のひずみ及びペレットの膨張のために、ペレットと被覆との間の半径方向隙間が閉じられることを実質的に特徴としている。] [0011] 比較的低い応力レベルで被覆内の熱力学平衡のために、恒久的な運転中被覆の破損のリスクはないが、当該燃料棒によってもたらされる出力が著しく変化するやいなやリスクが発生する。] [0012] 局所出力の増大は、燃料棒の温度の増大を引き起こす。酸化ウランに基づくペレットと普通ジルコニウム合金のものである被覆との間に機械的特性(熱膨張係数、ヤング率)の差異及び温度差を考慮すれば、ペレットは被覆よりも膨張し且つその変形を被覆に及ぼす。] [0013] さらに、被覆とペレットとの間の空間内のヨウ素のような腐食性核分裂生成物の存在が、応力下で腐食状態を生じさせる。この方法では、全出力の過渡発生中ペレットによって被覆に及ぼされる変形が、被覆の破損を引き起こす可能性がある。] [0014] そのような被覆の破損は、それが核分裂生成物を原子炉の冷却系統に放出させる可能性があるので安全性の理由のために許されない。] [0015] 特許出願EP-1556870は、原子炉の運転パラメータの極限値を、PCIの現象を用いて決定させる方法を記述する。より正確には、決定された極限値は、炉心全体の中で局所出力の増大で明らかになる全出力の偶発的な過渡発生の場合に、PCIの現象が核燃料棒被覆を破損させないようなものである。] [0016] かくして、この方法により、全出力の偶発的な過渡発生の場合でも、原子炉が安全な方法で作動することができる、使用分野を定義する。また、警報も、決定された極限値が原子炉の運転中限度を超えてないことを実証するために導入することができる。] [0017] PCIの現象は、原子炉の特別な運転方法に関して特に不利である。これは拡張低減出力運転("Extended Reduced Power Operation"、ERPO)である。] [0018] フランスでは、拡張低減力運転は、より正確には、例えば、所定の24時間のうちの8時間よりも長い累積時間にわたって、例えば、原子炉の公称出力PNのほぼ92%、よりも小さい或いは等しい全出力PIで、原子炉の恒久的な運転であるものと定義される。] [0019] そのような運転方法は、燃料棒をデプロセスする(de-processing)効果を有する。] [0020] 全出力の減少中、出力が局所的に減少する。その結果、各燃料棒のペレット及び被覆の温度減少があり、かかる温度減少はこれらの要素の熱膨張の減少を引き起す。各ペレットが関連した被覆の熱膨張係数よりも大きい熱膨張係数を有するので、したがって、各ペレットはより大きな絶対膨張をなす。] [0021] これは、特定の局所出力減少のために、各ペレットの温度変化が、被覆の温度変化よりも大きい事実によってさらに増幅される。] [0022] この方法で、ERPOモードでの運転中、被覆とペレットとの間の接触がおきていない燃料棒に関し、半径方向隙間が増大する。隙間が閉じていた燃料棒に関して、その隙間は再び開く。] [0023] 隙間が再び開く場合には、圧力作用のために被覆の内側に向かう圧縮によってひずみがおきている。かくして、ERPOモードでの運転中、出力の偶発的な過渡発生の場合に、被覆に現れる応力は、原子炉が公称全出力で作動しているときに過渡発生が起る場合よりも大きい値に達する。] [0024] したがって、PCI現象による破損のリスクは、原子炉がERPOモードで作動するときに増大する。] [0025] 原子炉の運転者に、彼らが燃料棒の被覆の完全さを危うくすることなく、ERPOモードを使用することができる程度を評価させるために、パラメータ、すなわちクレジットKが開発されてきた。] [0026] 原子炉の操作可能性を表すこのパラメータは、次式によって定義される。 K0は、クレジットKの初期値である。] [0027] Aiは、デプロセスの法則から計算されたデプロセス係数である。 Tiは、ERPOモードの使用の段階iの継続時間である。 Bjは、再プロセス法則から計算された再プロセス係数である。 Tjは、ERPOモードの運転期間後の公称全出力運転の段階jの継続時間である。] [0028] 運転者は、ERPOモード且つ公称全出力での連続運転段階に従ってクレジットKの値のサイクル中展開を、この式を用いて計算することができる。] [0029] クレジットKの値が低くなればなるほど、運転者がERPOモードを使用する可能性が少なくなる。クレジットKの値が0であるとき、運転者はERPOモードではもはや機能することができず、原子炉を公称出力でのみ作動しなければならず、或いは原子炉を運転停止しなければならない。] [0030] クレジットKの値を増大させるために、運転者は、時間の特定長さの間、原子炉を公称全出力で運転することを選択してもよい。] [0031] この式、及び、特に、ほとんど2年かかる係数Ai及びBjの式の確立は、同時に作動するプロセッサで数ヶ月の期間にわたって行なわれるとても重要な計算を必要とする。] [0032] 係数Ai及びBjを計算する際に伴われる複雑さを考慮すると、クレジットKの値の決定は、多くの慎重な考慮の導入を必要とする特定の原子炉、燃料集合体及び制御に関して、一般的な方法で行われる。] [0033] したがって、クレジットKの使用により、原子炉の安全運転が確保させるが、不幸にして、クレジットKの使用は限られた操作可能性をもたらす。] [0034] 本発明の目的は、原子炉炉心の操作可能性を表すパラメータの値を決定し、且つ、安全運転を確保しながら、原子炉の操作可能性を増大させる方法を提供することによってこの問題を解決することである。] [0035] この目的のために、本発明は、原子炉の操作可能性を表すパラメータの値を決定する方法であって、炉心が核燃料集合体からなり、各核燃料集合体は、核燃料が被覆内に収容されている核燃料棒を含み、前記方法は、原子炉の同じ運転サイクル中、 (a)原子炉内に在るセンサによってなされる測定から、炉心の局所出力の3次元分布を計算するステップ、 (b)計算された局所出力の3次元分布に適用される出力の少なくとも1つの偶発的な過渡発生をシミュレートするステップ、 (c)出力のシミュレートされた過渡発生中燃料棒の被覆の破損を最も受けやすい少なくとも1つの燃料棒を熱力学計算を用いて、識別するステップ、 (d)識別された燃料棒に熱力学計算を用いて、原子炉の操作可能性を表すパラメータの値を決定するステップ、 の周期的な実行を含むことに関する。] [0036] 特定の実施形態によれば、本方法は、個別に又は全ての技術的に可能な組合せに従って、取られた次の特徴の1つ又は2以上を含んでもよい: ステップ(c)は、出力のシミュレートされた過渡発生中各核燃料棒の被覆の応力状態を表すパラメータの最大値を計算するサブステップ(c1)を含む; サブステップ(c1)では、当該燃料棒のペレットと被覆との間の接触圧力は、以前に計算した値から相関或いは補間法によって計算される; 前記ステップ(a)乃至(d)は、1ヶ月より短い時間ステップで周期的に実行される; 前記ステップ(a)乃至(d)は、1週間より短い時間ステップで実行される; 前記ステップ(a)乃至(d)は、1日より短い時間ステップで実行される; 前記原子炉は、加圧水型原子炉である; 本方法は、原子炉の運転を指令及び/又は制御するために、決定された値を用いるステップ(e)を含む。] [0037] 本発明は、さらに、操作可能性を表すパラメータの値を決定するためのシステムにおいて、上記の方法のステップを実行するための手段を含むことを特徴とするシステムに関する。] [0038] 1つの変形例によれば、システムは、少なくとも1つのプロセッサーと、システムによって実行される決定方法のステップを実行するための少なくとも1つのプログラムが記憶されている記憶手段と、を含む。] [0039] 本発明は、さらに、上記の方法のステップを実行するための命令を含むコンピュータプログラムに関する。] [0040] 本発明は、さらに、プロセッサーに使用することができ、且つ上記のプログラムが記録されている媒体に関する。] [0041] 本発明は、単に例示として且つ添付図面を参照して与えられた以下の記述を読むことによりよく理解される。] 図面の簡単な説明 [0042] 加圧水型原子炉の概略図である。 図1の原子炉の炉心の核燃料集合体の概略側面図である。 図2の核燃料集合体の燃料棒の概略長手方向断面図である。 図1の原子炉で実施される方法の連続するステップを示すフローチャートである。] 図1 図2 実施例 [0043] 図1は、加圧水型原子炉1を概略的に示し、加圧水型原子炉1は、普通、炉心2と、蒸気発生器3と、発電機5に連結されたタービン4と、復水器6と、を含む。] 図1 [0044] 原子炉1は、ポンプ9を備えた冷却系統8を含み、冷却系統8の中で、加圧水が、図1に矢印によって指示された流路に沿って流れる。この加圧水は、特に、炉心2の中を上昇し、そこで再加熱され、炉心2の冷却を行う。] 図1 [0045] 冷却系統8は、さらに、冷却系統8の中を流れる水を加圧させる加圧器10を含む。] [0046] 冷却系統8の水は、また、蒸気発生器3に供給され、蒸気発生器3で冷却系統8の水は冷却され、2次系統12の中を流れる水を蒸発させる。] [0047] 蒸気発生器3によって作られた蒸気は、2次系統12によってタービン4、次いで、復水器6に向かって通され、復水器でこの蒸気は、復水器6の中を流れる冷却水との間接的な熱交換で凝縮される。] [0048] 2次系統12は、復水器6の下流に、ポンプ13及び再加熱装置14を備える。] [0049] また、従来の方法で、炉心2は、容器18内に装入された核燃料集合体16を有する。単一の核燃料集合体16が図1に図示されるが、炉心2は、例えば157個の核燃料集合体16を有する。] 図1 [0050] 原子炉1は、核燃料集合体16のいくつかの上で容器18内に配置された制御棒クラスタ20を有する。単一のクラスタ20が図1に図示されるが、炉心2は、例えば、ほぼ60個のクラスタ20を有する。] 図1 [0051] クラスタ20は、核燃料集合体16に挿入するための機構22によって移動され、該機構は核燃料集合体16が配置されている上にある。] [0052] 普通、各制御棒クラスタ20は、1つ又は2つ以上の中性子吸収材料を含む棒からなる。] [0053] この方法で、各クラスタ20の垂直移動により、原子炉1の反応度を調整し、核燃料集合体16内へのクラスタ20の導入に従って、炉心2によって生じる全出力Pのゼロ出力から公称出力PNまでの変動を可能にする。] [0054] これらのクラスタ20のうちのいくつかは、例えば出力或いは温度の観点で、炉心2の運転を制御するものであって、制御棒クラスタと称される。他のクラスタ20は、原子炉1を運転停止させるにすぎないものであって、運転停止クラスタと称される。] [0055] クラスタ20は、これらのタイプ及び目的にしたがってグループに組み立てられる。例えば、900MWeタイプの原子炉では、これらのグループは、グループG1、G2、N1、N2、R、SA、SB、SC,SD等と称される。] [0056] 原子炉1は、また、原子炉の運転パラメータの有効値を測定するための所定数のセンサ、特に、冷却系統の冷却水の平均温度を容器18の出口で測定するための熱電対21A及び冷却系統の冷却水の平均温度を容器18の入口で測定するための熱電対21Bを有する。] [0057] また、在来の方法で、原子炉1は、中性子束を測定するための外部チャンバ21Cを有し、該チャンバは、炉心2の容器18の周りに配置される。一般に、”炉心外チャンバ”と称されるチャンバ21Cの数及び位置は、原子炉1のモデルに従って変化する。] [0058] また、在来の方法で、原子炉1は、冷却系統の冷却水の温度を核燃料集合体16の出口で測定するために、核燃料集合体16の上で炉心2内に配置された熱電対21Dを有する。単一チャンバ21C及び単一センサ21Dが、図1に図示されている。] 図1 [0059] 炉心外チャンバ21C及び熱電対21Dは、炉心内の局所出力の軸方向分布すなわち垂直方向分布と半径方向分布の両方に関係する情報を提供する。] [0060] 種々のセンサ、特に炉心外チャンバ21C及び熱電対21Dを較正するために、原子炉は、また、”インコア(in-core)”(図示せず)と称され、且つ核燃料集合体16のいくつかの測定軌道内に挿入させるために可撓性ケーブルの端に固定された可動プローブを含む、或る品目の装置を有する。これらのプローブは、種々のセンサによって測定された値をこれらのプローブによって行われる測定に対して再較正し、かくして、原子炉1の種々のセンサを較正するために炉心2内に規則正しく導入される。] [0061] 図2に示すように、各核燃料集合体16は、普通、燃料棒24の格子と燃料棒24用の支持骨格26を含む。] 図2 [0062] 支持骨格26は、普通、底ノズル28、頂ノズル30、2つのノズル30及び28を連結し、制御棒クラスタ20の棒を受け入れるようになったガイドチューブ31及びスペーサ格子32を含む。] [0063] 図3に示すように、各燃料棒24は、普通、下端が底端プラグ34で、上端が上端プラグ35で閉じられた管の形態の被覆33を含む。燃料棒24は、被覆33内に積み重ねられ且つ下端プラグ34に当接する一連のペレット36を含む。保持ばね40が、上端プラグ35及び上部ペレット36で支持されるように被覆33の上部分内に配置される。] 図3 [0064] 普通、ペレット36は、酸化ウランに基づき、被覆33は、ジルコニウム合金のものである。] [0065] 製造から照射前の燃料棒24に相当する図3には、ペレット36と被覆33の間に半径方向隙間Jがある。半径方向隙間Jは、図3の拡大円部分によってより具体的に図示される。] 図3 [0066] この隙間Jは、燃料棒のプロセス及び再プロセス中に閉じ、且つ燃料棒がデプロセスされるとき開くものである。] [0067] 図1に示すように、また、原子炉1は、原子炉1の操作可能性を表すパラメータを決定するためのデータ処理システム40を含む。データ処理システム40は、例えば、原子炉1の運転を指令及び制御するためにもっと一般的に用いられるものである。] 図1 [0068] このデータ処理システム40は、例えば、1つ又は2つ以上のプロセッサーと、データ記憶手段44と、入力/出力手段46及び任意的に、表示手段48を含むデータ処理ユニット42を含む。データ記憶手段44は、例えば、1つ又は2つ以上のメモリを備え、下記のステップを実行するために、1つ又は2つ以上のコンピュータプログラムを記憶する。] [0069] データ処理システム40は、センサ21A乃至21Dを含む、原子炉1の運転パラメータを測定するための異なるセンサに接続されている。] [0070] 下記の例では、システム40によって計算された原子炉1の操作可能性を測定するためのパラメータが、下式によって定義されるパラメータΔである。] [0071] ここに、 は、被覆33の円周方向及び垂直応力である。 は、同じ被覆33の半径方向及び垂直応力である。 は、炉心2の核燃料棒24から によって得られた最大値である。 は、 の極限値であり、その極限値を超えると被覆33が破損する。] [0072] この極限値は、例えば、EP1556870明細書に記載されているごとく決定される。] [0073] Δの値を決定するためにシステム40によって用いられる方法を、図4のフローチャートを参照してここに記述する。] 図4 [0074] この方法は、原子炉1の運転サイクル中ステップ50、52、54及び56を含むループの規則的な実行を含む。このループを実行するための時間ステップは、1ヶ月、1週間或いはさらに1日よりも短くてもよい。] [0075] 第1ステップ50では、システム40は、当該時間ステップで炉心2内の局所出力の3次元分布を計算する。] [0076] より正確には、炉心2内の局所出力の3次元分布の最初のおおまかな計算は、ある中性子計算ソフトウェアによって実行される。使用される中性子計算ソフトウェアは、例えば、AREVA NP社のソフトウェアSMART(登録商標)である普通のソフトウェアである。] [0077] このおおまかな計算は、例えば、記憶手段44に記憶された炉心2の装入特性、すなわち、炉心2内に存在する燃料集合体16の配置及び特性、例えば、熱電対21A及び21Bによって得られる測定値を用いて、システム40によって普通の方法で確立された炉心2の平均熱出力、熱電対21Bによって測定された、容器18の入口の冷却水の平均温度、記憶手段44に記憶された制御棒クラスタ20の基準位置、及びステップ50、52、54及び56のループの前の実行中に決定された局所出力の分布、に基づいて得られる。] [0078] 次いで、この最初のおおまかな計算の結果は、チャンバ21C及び熱電対21Dによって測定された有効値のために、この方法で計算された値を、調整することによって改善される。] [0079] 引き続いて改善されるそのようなおおまかな計算の使用により、Δの値を決定するための方法の実行頻度と比較できる時間内に、炉心2内の局所出力の3次元分布の良好な表示が得られる。] [0080] 次いで、ステップ52では、システム40は、例えば、上述の中性子計算ソフトウェアを用いて、全出力の過渡発生をシミュレートする。] [0081] 好ましくは、シミュレートされた過渡発生は、炉心2内の出力の最も著しく且つ急速な変動を引き起こす部類2のものと称せられる偶発的な過渡発生である。] [0082] これらの過渡発生は、例えば、装填の過剰な増大、原子炉1が出力状態にあるとき、制御棒クラスタ20のグループの制御されていない引き抜き、クラスタ20の落下、である。] [0083] 装填の過剰な増大は、蒸気発生器3内の蒸気の流量の急速な増大に相当する。そのような増大は、炉心2の熱出力と蒸気発生器3の装填量の間に不均衡を引き起こす。この不均衡は、冷却系統8の冷却をもたらす。制御棒クラスタ20によって炉心2内の平均温度の和らげ及び/又は調整作用により、反応度、したがって、核束が炉心2内で増大する。この方法では、炉心2によってもたらされる全出力Pが急速に増大する。] [0084] この過渡発生をシミュレートするために、蒸気発生器3内の蒸気の流量を、その初期値から2次系統12の特性によって許容される最大値まで増大することが考慮される。さらに、この増大は、加圧器10の低圧力のおかげで、原子炉の自動停止を防止するために検査されている出力レベルに対して十分にゆっくりである。] [0085] 原子炉が運転しているとき、制御棒クラスタ20のグループの制御されない除去は、反応度の制御されない増大を引き起こす。その結果、炉心2内の全核出力P及び熱流束の急速な増大が起こる。2次系統12のリリーフバルブ或いは安全バルブが開かれるまで、蒸気発生器3内の熱の放散が冷却系統8内に放出される出力よりも遅く増大する。その結果、冷却系統8内の冷却水の温度及び圧力が増大する。この過渡発生をシミュレートするために、出力グループの除去は、完全な除去まで72ステップ/分の最大速度で仮定される。] [0086] もし1つ或いは2つ以上の制御棒クラスタ20が炉心の中に落下すると、炉心2内の反応度と全出力Pがただちに減少する。保護作用なしに、この方法で引き起こされる冷却系統8と2次系統12との間の不均衡は、炉心2に流入する冷却水温度の減少、さらに、新しい平衡が冷却系統8と2次系統12との間に達成されるまで、反対反応及び温度制御により中性子出力の増大を引き起こす。落下した制御棒クラスタ20の存在は、出力の半径方向分布の変形を引き起こし、制御グループの除去は、出力の軸線方向の変化をもたらす。] [0087] 次いで、ステップ54中、そのシステム40は、ステップ52中にシミュレートされた出力の過渡発生中最大の応力を受ける燃料棒24を決定する。] [0088] この決定は、ある分類ソフトウェアを用いて実行される。] [0089] より正確には、このステップ54中、例えば、 の値が、各燃料棒24の被覆33の応力状態を表すパラメータのために計算される。] [0090] 上述した例示では、応力状態を表すパラメータと原子炉の操作可能性を表すパラメータは、物理的なパラメータの同じ差 に基づかれる。しかしながら、事実は必ずしもそのとおりではなく、2つのパラメータが、異なるが互に首尾一貫した物理的変数或いは物理的変数の関数に基づかれることもある。] [0091] 計算は、例えば、燃料棒24毎に、そのプロセス及び/又はデプロセス、及びシミュレートされた各出力過渡発生の全継続時間にわたって、以下のループを繰り返すことによって行なわれ、以下のループは、 ループの前の実施中に決定された の値に従って燃料棒24の被覆33とペレット36の新しい寸法を計算すること、 新しい時間ステップ中に放出された核分裂気体のモル数を計算すること、 新しい時間ステップ中に被覆33の内部の圧力の結果として生じた増大を計算すること、 新しい時間ステップ中に、新しい寸法、特に、燃料棒24内の核燃料の線形出力密度及び燃焼速度の現象、から生じるペレット36と被覆33との間の接触圧を計算すること、 計算された新しい接触圧力値、計算された新しい内部圧力値及び計算された新しい寸法、に従って の新しい値を計算すること、を含むサブステップを伴う。] [0092] 放出された核分裂気体のモル数、内部圧力及び接触圧力に関係する計算は、対応する式の陽関数分解によっては行われないが、その代わり、相関によって行われる。] [0093] より正確には、相関は、当該変数の値を、既知条件(線形出力密度、燃焼度等)に関して同じ既知変数の値に従って決定するために用いられる。これらの既知の値は、例えば、熱力学計算ソフトウェアから構築されたデータベースから生じる。これは、AREVA NP社のソフトウェアCOPERNIC(登録商標)のような普通のソフトウェアであってもよい。] [0094] ステップ54に使用される分類ソフトウェアは、好ましくは、同じ種目の熱力学計算ソフトウェアの単純化したバージョンである。] [0095] ステップ52及び54を実施するために同じモデルに基づく複数のソフトウェアの使用により、原子炉の操作可能性を表すパラメータの値を決定する方法のエラー強さと信頼性を確実にする。] [0096] 陽関数計算ではなく、相関の使用により、必要な計算を、Δの値を決定する方法を実施するための時間ステップと比較できるより短時間で実行させる。他の変形では、相関以外の補間法を用いることが可能である。] [0097] ループのステップ54を実行した後、シミュレートされた出力の過渡発生毎に、各燃料棒24に達した の最大値 のおおまかな推定が分かる。] [0098] データ処理システム40は、これらの最大値に基づいて、出力の過渡発生中最大応力を受ける燃料棒24を識別することができる。] [0099] 次いで、ステップ56では、データ処理システム40は、ステップ54中に識別された最大応力を受ける燃料棒24について完全な熱力学計算を実行する。] [0100] これらの計算は、普通のタイプの熱力学計算ソフトウェア、例えば、AREVA NP社のソフトウェアCOPERNICを用いて実行される。] [0101] これらの完全な熱力学計算により、 の値を決定し、かくして、Δの有効値を決定する。この有効値は、例えばディスプレイ手段48を用いて、特に原子炉1の担当の運転者に、供給することができる。] [0102] すると、運転者は、運転者が原子炉をERPOモードで運転することができる範囲、及びその代わりに運転者は原子炉を公称全体出力PNで運転させなければならないかどうかを知ることができる。] [0103] 同じ方法では、原子炉1内のいくつかの運転操作の自動的な実行、例えば、アラーム鳴らし、原子炉1の運転停止、全出力の増大を開始するために、上述された方法を用いて計算されたΔの有効値が、システム40によって使用されても良い。] [0104] したがって、Δの決定値は、原子炉1の運転を指令及び/又は制御するために用いられる。] [0105] 上で示したように、ステップ50、52、54及び56は、炉心の運転サイクル中規則正しく繰り返され、Δの値を更新させる。] [0106] ほとんどリアルタイムであるΔのこの計算により、クレジットKを計算するための、現在まで用いられてきた慎重な考慮を省かせ、したがって、原子炉の安全運転を確保しながら、操作可能性に関して有利にさせる。] [0107] 一般的に、上述の方法は、Δ以外の操作可能性であることを表す他のパラメータの値を計算するために用いてもよい。] [0108] そのようなパラメータは、円周方向且つ垂直応力 のみ或いは変形エネルギーの密度に基づいてもよい。これは、またクレジットKであってもよい。] [0109] 上述の原理は、加圧水型原子炉以外の原子炉のタイプ、例えば、沸騰水型原子炉に用いることができる。] [0110] 或る変形例では、ステップ50は、上述の計算以外の計算を用いることが出来る。] [0111] また或る変形例では、出力の単一過渡発生は、ステップ52中シミュレートされる。同じ方法で、シミュレートされる過渡発生は、局部的な或いは全体の出力の過渡発生であってもよい。] [0112] また或る変形例では、ステップ52は、記述されたループと異なっているループを含んでも良い。同じ方法では、相関或いは補間法は、燃料棒24のペレット36と被覆33との間の接触圧力を決定するだけに用いられてもよい。] [0113] さらなる他の変形例では、ステップ56中に最大応力を受ける単一の燃料棒を識別し、ステップ56をこの単一の燃料棒に実行することが可能である。]
权利要求:
請求項1 原子炉の操作可能性を表すパラメータの値を決定する方法であって、炉心は核燃料集合体(16)を含み、各核燃料集合体(16)は、核燃料が被覆(33)内に収容されている核燃料棒(24)を含み、前記方法は、前記原子炉の同じ運転サイクル中、(a)原子炉(1)内に在るセンサ(21A乃至21D)によって行われる測定から、前記炉心(2)内の前記局所出力の3次元分布を計算するステップ、(b)前記計算された局所出力の3次元分布に適用される、出力の少なくとも1つの偶発的な過渡発生をシミュレートするステップ、(c)前記シミュレートされた出力の過渡発生中燃料棒の前記被覆(33)の破損を最も受けやすい少なくとも1つの燃料棒(24)を、熱力学計算を用いて、識別するステップ、(d)前記識別された燃料棒に熱力学計算を用いて、前記原子炉の操作可能性を表す前記パラメータの値を決定するステップ、の周期的な実行を伴うことを特徴とする、前記方法。 請求項2 ステップ(c)は、前記シミュレートされた出力の過渡発生中各核燃料棒(24)の被覆(33)の応力状態を表すパラメータの最大値を計算するサブステップ(c1)を含む、請求項1に記載の方法。 請求項3 サブステップ(c1)では、当該前記燃料棒の前記ペレット(36)と前記被覆(33)との間の接触圧力が、前に計算した値から相関或いは補間法によって計算されることを特徴とする、請求項2に記載の方法。 請求項4 前記ステップ(a)乃至(d)は、1ヶ月より短い時間ステップで周期的に実行される、請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法。 請求項5 前記ステップ(a)乃至(d)は、1週間より短い時間ステップで実行される、請求項4に記載の方法。 請求項6 前記ステップ(a)乃至(d)は、1日より短い時間ステップで実行される、請求項5に記載の方法。 請求項7 前記原子炉は、加圧水型原子炉である、請求項1乃至6の何れか1項に記載の方法。 請求項8 前記原子炉の運転を指令及び/又は制御するために前記決定された値を用いるステップ(e)を含む、請求項1乃至7の何れか1項に記載の方法。 請求項9 前記操作可能性を表すパラメータの値を決定するためのシステム(40)であって、請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法の前記ステップを実行するための手段(42、44、46、48)を含むことを特徴とする前記システム。 請求項10 前記システムは、少なくとも1つのプロセッサー(42)と、前記システムによって実行される前記決定方法のステップを実行するための少なくとも1つのプログラムが記憶されている記憶手段(44)を含む、請求項9に記載のシステム。 請求項11 請求項1乃至8の何れか1項に記載の方法の前記ステップを実行するための命令を含むコンピュータプログラム。 請求項12 プロセッサーに使用することができ、且つ請求項11に記載のプログラムが記録されている媒体。
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